科学技術による魂の人工転生という、ちょっと変わった題材の本作品。
宇宙人の科学者達は、自らが地球に人工転生させた相手を探し、地球上で約500年という短期間に21回もの人工転生を繰り返す。
科学者達は人工的に転生した副作用で、12歳になると皆前世の記憶が無くなってしまう為、11歳で集団自殺を繰り返して転生しなければならない。
しかし、この子供達は今は皆地球人、当然地球人のごく普通の家庭から生まれて来るので、それぞれに親兄弟もいる。
したがって、この繰り返される集団自殺事件は波紋を広げて行く…
この作品も、あの世(この世界ではゾーンという)にいる間は、魂は安らかに眠っているという設定なのですが、実際には、安らかに眠っているような、殆ど意識活動をしていない「死んだ」ような状態が「この世」で、完全に覚醒して、正に人間が生き生きと「生きている」状態が「あの世」だという事は、「涼宮ハルヒの憂鬱」のページで書いた通りです。
つまり、実際にはこの話は、全く成り立たないのです。
なぜなら、皆死んでゾーンに入ったら、
簡単に会えてしまうのだから!
地上でどんなトラブルがあった者同士でも、あの世で本来の意識下に戻って会えば、お互いつまらない事で揉めていた事に気付き、大抵はあっという間に、多少時間がかかった場合でも、いつかは必ずそのトラブルは解消します!
ただ、科学者が自殺をしているという事で、そのせいでゾーンで地獄状態になっていて意識の混濁が起きたまま、機械で強制的に受肉させられているのだと仮定すれば、あながち成り立たなくはないかとも思えますが…
ちなみに、何らかの理由で地上で結ばれなかった恋人同士があの世で結ばれようとして心中した場合、「あの世」で会えるのか?
会えません。
お互いが間違いに気付き、悔い改めるまでの長〜い期間、地獄状態に陥る事になります。
そもそも、科学的な装置を使った魂の人工転生は可能なのでしょうか?
この世での意識はあなた全体の意識のほんの一部分に過ぎない事、魂の具体的な転生方法は、地上の未熟な人類達(幼稚園児)にはまだ教えられないという事実を鑑みると、まず不可能でしょう。
なお、遥か遠い未来、地球人が霊的に大人になるまで進化した場合はどうかと言うと、その時はもう身体的に物質界と霊界(超物質界)を自由に行ったり来たり出来るようになるまで進化しているので、そもそも機械など最初から必要無いのです。
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