ぼくのスピリチュアル物語 13 「Yさん」


平野さんの連載第5回目は、黒住さんの霊界通信を霊媒として受け取る役目を担ったYさんという女性についての記述から始まっていた。

病院で昏睡している黒住さんに静さんが付き添っているときに、友人がYさんからの伝言を伝えに来て静さんを驚かせたことは先に書いたが、Yさん側ではどんなことが起きていたのか。

平野さんの取材によると、静さんのご主人が重体で入院しているという話をYさんは人づてには知っていたらしい。自宅の台所で夕食の準備をしながら、ふと…「黒住さんのご主人の容体はどうなのかしら?」と思った途端、霊的な感応が起こり、右耳から霊聴を受けたというのだ。

その「声」は…

(黒住さんからのメッセージ)
「私は今まで精一杯に生き、なすべきことをなしたので何の未練も思い残すことはありません。やがて私は、この世の生を終えようとしています。今、そばで家内が看病してくれていますが、今まで私を支え、協力してくれたことを感謝してます。この感謝の気持ちをどうか家内に伝えてください」

この体験をYさんは、同じ教団の親しい人に伝え、その人が病院に伝えにきてくれたのである。

それから四日後に黒住さんは他界されたが、その日のYさんは朝から異様なほど激しく体調に異変を感じたという。そのときのことをYさんは…

「立っていられない状態でした。見るもの聞くものすべて、この世のものではないように感じ、現実が遠くに過ぎ去ってしまったことのように思えて、私はすでに死んでいるんだと思いました」

…と平野さんのレポートにある。

Yさんは、黒住さんの葬儀に現れた。遺影を見て、メッセージを受けた人が黒住さんかどうか確認したかったというのだ。そして、遺影を見た瞬間、間違いないと確信したという。

それからまもなくして、Yさんを通じて黒住さんから数多くの通信が届くようになるのだが、黒住さんとも面識はなかったにもかかわらず、なぜ、Yさんが霊媒に選ばれたのか。

それについて解明する内容が、黒住さんが送ってきた霊界通信の中にある。

(つづく)



シルバーバーチ」へもどる 海辺のぽちさんのエッセイ」へ 閉じる 過去世」へすすむ

霊的故郷