寒い冬が終わり、やっと春が巡って来た。
長い冬は、いつまでも終わらないように感じるが、いざ終わってしまえば、あっと言う間だったと思えるものだ。
苦しみもまた同じ。
今日は3回目の読書会。
新しい参加者が1人増えるので、少々緊張している。
その人は田中美知恵さんといって、エホバの証人をしていた人だ。(4の盲信と疑念の間で、で出て来た人)
出会ってから、もうずいぶんになる。
その頃も今のように読書会はしていたけれど、その時は天枝と使枝と、もう1人の3人でしていた。
ところが、それからしばらくして、もう1人の人は仕事を始めるということで来なくなってしまい、読書会はそこで途切れてしまっていた。
美知恵さんはというと、最初に読書会のことを聞いた時はすぐに興味を示したものの、参加することはなかった。
それが、先日訪ねてきて、お試しに一度だけ参加してみたいと言ったので、二つ返事で受けることにした。
美知恵さんは、開始時間より15分も早くやって来た。
脱退後のことを聞いてみると、家庭内は何とかうまく行っているというが、心の中に何かしら空白感があって、それがなかなか埋められないでいるとのことだった。
そんな話をしていると、松本さんと塩谷さんがやって来た。
エテルナに入るなり美知恵さんを見て、おや? という顔をしたが、天枝が紹介すると、嬉しそうに簡単な自己紹介をしてくれた。
その自己紹介が終わるのが合図であったかのように、読書会が始まった。
天枝 「では、お祈りから始めたいと思います。
心から敬愛いたします大霊様。
本日は、今まで気になっていた人が来てくれました。
本当に喜ばしく思います。
大霊様、お尋ねいたします。
私たちがしている真理の学習は、あなた様の願いに添っております
でしょうか。
橋頭保(最前線の足場)となれるような、勇気と霊的知識を持ち
得ておりますでしょうか。
あなた様の道具として働くことのできる霊性を確立しつつあります
でしょうか。
大霊様の道具として、またスピリットの方々の手足として働くため
に、真理をより深く理解し、それぞれの霊性をさらに向上させて
いきたいと願っております。
どうか、最後まであなたと共にありますように。
もし心の中に心配事や苦しみがあるならば、そうしたものがいかに
小さな迷いであり、魂を腐食するものであるかということを自覚
させて頂き、すぐさま払拭して臨むことができますように・・・
では、ただ今から始めさせていただきます。(祈)」
全員 「よろしくお願いします」
松本 「人が増えるというのは、何とも嬉しいものですなあ。」
塩谷 「本当、リフレッシュします。
よろしくお願いしますね。」
美知恵「こちらこそ、よろしくお願いします。」
天枝 「今日は第3章ですが、いかがでしたか」
塩谷 「あ、使枝さんの本はすごいことになってますね。
色とりどりのマーカーで、ほとんど塗りつぶされてるじゃないで
すか。
そういう俺もマーカーだらけになりました(笑)」
松本 「私もそうですよ(笑)」
使枝 「私にとってこの3章、というより第1巻は、ことあるごとに読み
返して確認することばかりなんです。
実は、この第1巻は2冊目なんですよ。
最初のはマーカーを使いすぎたので買い替えたのですが、
これもそろそろ買い替えなくてはいけないみたいです(笑)」
美知恵「・・・皆さん、そんな風に勉強されているんですね。」
天枝 「とりあえず、最初から行きましょうか。」
――この交霊会に出席される方々が、もしも私の説く真理を聞くことに
よって楽な人生を送れるようになったとしたら、それは私が神から
授かった使命に背いたことになります。
私どもは人生の悩みや苦しみを避けて通る方法をお教えしているの
ではありません。
それに敢然と立ち向い、それを克服し、そしていっそう力強い人間と
なって下さることが私どもの真の目的なのです。
松本 「苦労は買ってでもせよ、ということでしょうが、人というのは
ついつい、楽な人生の方を選びがちですからねえ。」
塩谷 「俺も、楽な人生の方がいいと思ってしまうよ。
必要な苦労なら仕方がないけど、無理して苦労の中に飛び込みたく
ないなあってね。」
天枝 「でも、頭では苦しみを避けて通るのは良くないとわかっているん
ですよね。」
塩谷 「まあねえ。」
天枝 「それと、苦労といっても自分の夢を実現させるための苦労だった
ら、どんな苦労でもできると思うし、苦労もまた楽し、ってこと
になるじゃないですか。
もちろん、人のために自分の人生を犠牲にして、苦労することが
わかっていながら飛び込んだ人も世の中にたくさんいますけど。」
松本 「そういう人は、大きな使命を持って生まれたということですか?」
天枝 「ええ、そのようです。
本来なら生まれ変わる必要のないぐらいに進化した霊が地上の状態
を見て、止むに止まれぬ思いで、もう一度生まれてくる場合がある
ようです。
そういう人の場合は、当然、波乱万丈の人生を送ることになります
けど、それを承知で生まれる決意をしたわけですから。」
――苦難から何かを学び取るように努めることです。
美知恵「私は宗教に入っていたのですが、活動していたのは2年だけでした
から、今思えば、頭で学んでいただけで、身にはなっていません
でした。
やめてから振り返ってみると、あれもこれも思い当たる節が出て
来たんです。
神様が自分に対して何を望んでおられたのか、自分にとって宗教
とは何だったのか、なぜ宗教に入り、やめるに至ったか、まだ断片
的ですが、繋がり始めたように思います。
あの苦しい時と距離ができたから、客観的に見られるようになった
からなのかもしれません。」
松本 「ふと思ったんですが、霊性が開花したから、その出来事にどんな
意味があったのか、と考えられるんじゃないでしょうか。
霊性が開花していなければ、政治が悪いんだ、会社が悪いんだ、
上司が悪いんだ、というふうに、誰かに責任転嫁することで自分
を落ち着かせようとしますから。」
塩谷 「なるほど、分かれ道は、霊性が開花しているかどうか、というとこ
ろかあ。
開花していれば苦しむことが成長に繋がるけれど、開花してない人
が責任転嫁ばかりしていたら、逆にカルマを積むことにもなるって
ことですかねえ。」
――耐え切れないほどの苦難を背負わされるようなことは絶対にありま
せん。
なんらかの荷を背負い、困難と取り組むということが旅する魂の本来
の姿なのです。
塩谷 「耐え切れないほどの苦難を背負わされるようなことは絶対にない、
と言っているけど、世の中を見ていると、信じられないような残虐
な事件に巻き込まれたりして、生命を奪われる人がいますよね。
それはつまり、耐え切れないほどの苦難もあるということになり
ませんか。」
天枝 「自由意志を正しく使っていれば、そうした苦難に出会うことは
ない、ということだと思います。
それともう一つ、死ぬことが最大の悲劇と思っていると、どうして
もそういう見解になります。
残虐な事件に巻き込まれるのは、それなりにカルマが影響している
のでしょうし、そうでないのに他界された人は、霊界に行ってから
報われると言われています。
原因と結果の法則は数学的な正確さで働いていますから、原因が
なければ結果は出て来ないわけです。
それに、今世でつくった原因が、今世で結果が出るとは限りません
し。
霊界に行ってから償うこともありますし、償うために生まれ変わる
こともあるようです。
結局は、どこかで償いの道を歩かなければならないということ
ですね。
宇宙にはパラドックス(一見すると矛盾しているように思える
こと)があるのですが、これもカルマとか自由意志、霊性の問題
があるのだと思います。
私たちは地上の短期間の体験での視野でしか考えることができない
ので、全てを理解するのは難しいです。」
塩谷 「そうかあ、すごく難しい問題なんですね。」
天枝 「ええ、残念ながら、今の私たちが理解するには難しすぎる問題だと
思います。」
――霊的な宝はいかなる地上の宝にも優ります。
それはいったん身につけたらお金を落とすような具合になくしてしまう
ことは絶対にありません。
美知恵「この言葉は、『天に宝を蓄えなさい。その宝は盗まれることがな
い』という聖書の言葉と一緒ですね。」
天枝 「聖書と一緒というより、真理だから同じなんだと思います。
仏教でも似たようなことを言っていますしね。」
美知恵「ああ、そういうことなんですか。
真理というのは、それぞれの宗教独自のものとばかり思っていた
けれど、そうじゃないということですね。」
――それはもちろん楽なことではありません。
しかし魂の宝はそうやすやすと手に入るものではありません。
もしも楽に手に入るものであれば、なにも、苦労する必要などない
でしょう。
痛みと苦しみの最中にある時はなかなかその得心がいかないもの
ですが、必死に努力し苦しんでいる時こそ、魂にとっていちばんの
薬なのです。
塩谷 「良薬口に苦し、ってことですか。
だけど、自分を振り返ってみると、案外楽に手に入ったように思え
るんですがねえ。
俺は特別に苦しい体験をしたわけじゃないのに、こうして勉強でき
るわけだから。
確かに、家族との確執は今でも続いているけど、それ以外は取り
立てて困っていることもないからなあ。
もしかしたら、苦しいのを苦しいと思えないほど、俺って鈍感なん
ですかねえ」
天枝 「私も塩谷さんと同じで、特別な苦しみは体験してないんですよ。
それで、別の読書会に出席した時に、そこの主催者に質問してみた
んです。
そうしたら、大した苦しみもないのに霊性が開花するのは、前世で
すでに開花していたから、と言われたんです。
私としては嬉しい言葉だったんですけど、自分で自分のことをそう
思うのは傲慢な気がして言えませんでした。
でも塩谷さんの今の発言を聞いて、確かに前世ですでに苦しい体験
をしたことで霊性が開花して、その続きとして今世があるように
思います。」
塩谷 「これも、原因と結果の法則ですかねえ。」
天枝 「もちろん、開花しているからと言って、順調に成長していくわけで
はないようですけどね。
時として、後退しているように感じることもあります。
前世の目的は霊性が開花することだったから、今世はその上を行か
なければいけないですね。」
塩谷 「その上を行く?」
天枝 「つまり、今度は自分が誰かの成長のお手伝いをしたり、霊性が開花
するきっかけになったりして、本当の道具になって働くという意味
です。」
塩谷 「俺にそんなの務まりますかねえ。」
天枝 「塩谷さんがご自分で自覚された時が、道具になる時じゃないかな
と思います。」
塩谷 「ふうーん、そうなんですか。」
松本 「次のところは、親の立場で考えると良く分かる個所ですね。」
――私どもは、いくらあなた方のことを思ってはいても、あなた方が重荷を
背負い悩み苦しむ姿をあえて手を拱いて傍観するほかない場合がよく
あります。
そこから教訓を学び取り霊的に成長してもらいたいと願い祈りながら
です。
松本 「私はどちらかというと甘い親で、子供に厳しくできませんでした。
厳しくできなかったということは、今思えば、育児に自信がなかっ
たんです。
子供に嫌われたくなかったし、優しく包んであげることが愛情だと
思っていましたから。
本当に底の浅い目先だけの愛情でした。
それでも、子供たちはそれなりに独立してくれましたから、全く
間違っていたということではないようですが。
私たち人間の親ができない根幹の部分に、守護霊たちは関わって
くれて、見えないところで子供たちをサポートしてくれていたん
ですね。
シルバーバーチとか守護霊というのは、人間にとって何が必要か
が良く分かっているから、辛いと思いながらも見守ることができる
んですね。」
――魂が目を覚まし、それまで気づかなかった自分の可能性を知るのは、
時として暗雲垂れこめる暗い日や、嵐の吹きまくる厳しい日でなけれ
ばならないのです。
地上の人生はしょせんは一つの長い闘いであり試練です。
魂に秘められた可能性を試される戦場に身を置いていると言っても
よいでしょう。
松本 「世間では褒めて才能を伸ばす、と言うけれど、霊的世界はそんな
に甘いもんじゃないということなんですね。
まあ、自分もこれだけ長く人生を生きてわかっていることでもあり
ますから、疑う余地はありませんが。」
塩谷 「次の箇所は、分かりそうでわからないんだなあ」
――魂にはありとあらゆる種類の長所と欠点が秘められております。
すなわち動物的進化の段階の名残りである下等な欲望や感情もあれば、
あなた方の個的存在の源泉である神的属性も秘められております。
そのどちらが勝つか、その闘いが人生です。
使枝 「これは私の考えですが、下等な欲望や感情というのは、動物と人間
に共通する本能とか感情のことじゃないかと思います。
たとえば、食欲、性欲、物欲、所有欲、怒り、嫉妬、独占欲などで
他にもいろいろあると思います。
肉体を維持するには必要な欲望なのですが、これを最優先させて
しまうと良くないんじゃないかと思います。
神的属性というのは霊性を向上させる欲望とか、利他愛で、人の
ために役に立ちたい、自分のことを後回しにしてでも人を助け
たい、霊的真理を知りたい、自分を良くしたい、という感情とか
欲求じゃないかと思います。」
天枝 「私もそう思います。」
塩谷 「なるほど、そういうことですか。
葛藤して、神的属性が勝つことが大切だということですね。
これは難しいなあ。
食欲とか、性欲を抑えることは難しくないですか?」
松本 「女性はどうかわかりませんが、男性にとって性欲を抑えるという
のは生物学的からいっても、難しいことです。
あ、女性陣にはよろしくない話で申し訳ありません。」
美知恵「女性にとっては、嫉妬とか独占欲をコントロールするのは難しい
ことです。」
塩谷 「それは男にとっても難しいですよ。
好きな人は独り占めしたいし、その人が他の男を見るだけでイラッ
ときますから。」
使枝 「でも、そういう気持ちをそのまま相手にぶつけるのが良いことだと
は思ってないですよね。」
塩谷 「もちろん、その気持ちをそのまま相手にぶつけていたら、すごく
イヤなヤツになるし、場合によっては犯罪に発展しかねません
からねえ。」
使枝 「霊的真理がわかってくると、そうした本能的な感情と理性が葛藤
することがどんどん多くなります。
でも、成長してくると逆に葛藤が少なくなります。」
塩谷 「え? 葛藤が少なくなる?」
天枝 「葛藤するのは、理性と本能の力が同等だからでしょう。
霊性が本能より優るようになれば、選ぶ方向はいつも同じになり
ますから、迷うことが少なくなって、葛藤も少なくなります。
もちろん、本能の方が強ければ、不満は多くなるけれど、
逆の意味で葛藤が少ないとは思いますが。」
塩谷 「ふうーん、なるほどねえ・・・
つまり、葛藤をして霊性が勝つことで成長するってことですか。」
使枝 「シルバーバーチの次の言葉がそれを示してしていると思います。」
――運命の十字路にさしかかるごとに右か左かの選択を迫られます。
つまり苦難に厳然と立ち向かうか、それとも回避するかの選択を
迫られるわけですが、その判断はあなたの自由意志に任されています。
塩谷 「自由意志ねえ・・・選ぶも自由なら、選ばないのも自由、ってこと
だな。
そこから逃げるんじゃなくて、向かっていかなければいけないって
ことですか」
使枝 「そうとばかりは言えないと思います。
大切なのは動機ですから。」
塩谷 「だけど、成行きに任せる手もありますよね。」
天枝 「ええ、待つことしかできないという状況だってありますもんね。
どういう状況を選んだとしても、まずは動機の問題が大きいです
し、次に、体験したことから何を学ぶかも大切だと思うんです。
いくら厳しい状況を選んだとしても、そこから何かを学んで生かさ
なければ、体験した価値がなくなるということだし、たとえ回避
したとしても、そこから何かを学んだとしたら、それなりに意義
ある選択だったということになると思います。」
美知恵「私はどうも聖書の内容が抜けないので、ダブるところに目が奪われ
るのですが」
――持てる能力や才能が多ければ多いほど、それだけ責任も大きくなると
いうことです。
地上へ再生するに際して各自は、地上で使用する才能についてあらかじ
め認識しております。
才能がありながらそれを使用しない者は、才能の無い人より大きい責任
を取らされます。
当然のことでしょう。
美知恵「聖書の中に“タラント”、つまり才能をどう使うかという例え話が
あるのですが、結果を怖がって何もしないのが一番よくない、と
習いました。
神は、自分を役立てるために才能を与えたのだから、有効に使わな
ければいけないと。
それはそうだなあと思ったことがあったものですから」
松本 「聞いたことがあります。
たしか、主人が3人の僕にお金を預けて旅に出た話ですよね。
主人が旅から帰ってみると、1人の僕はお金を何倍にも増やして
いて、もう1人の僕は少しだけ増やしているのを知って、主人は
とても喜んで2人には儲けに見合うだけの褒美を与えた。
しかし、最後の1人はお金が減ったらこっぴどく叱られると思っ
て、地中に隠しておいた。
すると、それを知った主人は怒り、それなら銀行に預けておく
べきだった、と言って、その僕に預けたお金を取り上げて、一番
多く増やした僕に渡した、というようなお話じゃなかったかな。
その時はなるほどと思ったのですが、今思い出してみると、あまり
適切な譬えじゃないような気がします。
適切じゃないというのは、お金を儲けるというところですが。」
美知恵「クリスチャンも同じ理解の仕方をしている人がいて、この箇所を
読んで、お金を儲けてもいいんだ、と言っている人がいます。
でも、私はそういう意味じゃないと思うんです。
才能がたくさんある人は、その才能を使って多くの結果を出すの
が当たり前だし、才能が少ない人でも、精いっぱいの結果を出せば
いいんじゃないかと。
大切なのは結果の大きさではなくて、才能をどう生かしたかだと
思うんです。
たとえば、10の才能を持った人が5の結果を出した場合と、
1の才能を持った人が2の結果を出した場合とでは、5の結果を出し
た人のほうが偉い、みたいに思うけれど、本当はそうじゃなくて、
2の結果を出した人のほうが良い、ということじゃないかなと思
います。
才能をフル活用できなかった人は、それなりの責任を取らなければ
いけない、ってことですよね。
ただ、才能を使うのも、善いほうに使うか悪いほうに使うかはその
人の自由だから、やはり、良い方に使わなければいけないなあと
思います。」
天枝 「聖書は良い書物ですが、いろいろ改ざんされているようなので、
参考程度に読まれるのが良いかと思います。
今日はずいぶんいろいろな意見が出ました。
途中ですが、今日はここまでにしたいと思います。
続きは、来週ということで。」
松本 「時間がたつのは早いですなあ。
今までも充実した読書会でしたが、美知恵さんが参加してくれた
おかげで、今日は一段と充実して、エネルギーが満タンになり
ました。」
塩谷 「俺もそうです。
今日は中身がすごく濃かった。
魂がゲップしてます(笑)」
使枝 「美知恵さん、初めて参加してみてどうでした?」
美知恵「想像以上の充実感でした。
エホバの証人の勉強会でも、こんなに充実した時はありません
でしたから。」
天枝 「それなら良かったです。
使枝さん、終わりのお祈りをお願いします」
使枝 「では、お祈りいたします。
敬愛してやまない大霊様、
今日もこうして親和力のもとに集められた私たちに真理の学習の
時を与えていただき、多くの霊的エネルギーを注いでくださいま
して、心から感謝申し上げます。
私たちは、大霊様からエネルギーが注がれれば注がれるほど、
真理の理解が進みます。
そして、シルバーバーチ霊が私たちに残してくれた珠玉の言葉の
数々に触れるたびに、真理を通してあなた様の深い愛が伝わって
まいります。
まだまだ、自分はあなた様の一部であるというところまで実感
するに至っていませんが、真理の学びが深まっていくことで、
あなた様との距離が近くなる実感を得られることを、心から願って
おります。
今日は、初めての参加者とともに、大霊様の元で学習できました
ことを心から感謝いたします。」
天枝 「それでは、今日はここまでにしましょう。
続きは、来週行いたいと思います。
美知恵さん、来られますか?」
美知恵「はい、ぜひ参加させてください。」
天枝と使枝は、新しく美知恵が加わったことで、さらなる責任を感じていた。
今までも手を抜いたことはないが、よりいっそう真剣に取り組んでいかなければならないことを、改めて感じ入っていた。 |